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今年の国語の平均点は例年より低く、現国が難しかったというコメントが見られるんだけど、
受験勉強してないワタクシでも現国はポカミスで漢字1個間違っただけで全部解けたし、
難解な問題でもなかったように思う。


先に断っておくけど、私は国語の先生でもないし国語のお勉強からも長年遠のいています。
ただ問題解くのが好きなだけなので、私のいってることとどこかの予備校の先生が言ってることが、
大きく食い違ってることもあるかもしれません。
だけど、問題の解き方は人それぞれなので、比べて考え込まないでね。っと。
答えが合えばそれでいいじゃないかって言ったら怒られそうだけど。(笑)


第1問 小林秀雄『鐔』 IMEで変換すると、「鍔」しかでてこない。手書き入力でやっと出してみました。つば。


小林秀雄の文章は、模試にもよく出てくるし、受験生のほとんどがどこかでこのひとの文章を目にしてるはずだと思う。
現国で点数を稼ぎたい人は普段から読んでおくべきだとも。
評論文は随筆に似て、読み慣れればかなり面白いです。
今の受験生の年代は、時代劇をあまり見ていないし、お侍さんにも会ったことがないので
(すみません。私も会ったことないです)、
刀の鐔がどんなので何のためについてるか知らない人も多いかな。


「実用本位の堅牢な鉄鐔の製作が要求され(問題文11行目)」とか言われて、
「何でかしらないけど丈夫でないとダメなんだ」としか理解できないと話が抽象的にしか捉えられなくてつらい。
これでしょうかね。今年の受験生の得点がイマイチだったのは。


鐔というものが人を斬る時にどのような役割をするかを知っていると、この文章は大変わかりやすくなる。
(これ、高校のときに龍野先生か仲先生が図解入りで説明してくれたような気がするんだけど)
時代劇で見ると、刀でスパーッと美しく人を切ってるわけですが、
実際人殺しをするときはそんなスマートにやれるものではなく、たいていが刺す・突く・殴りつけるという動きになる。
生肉を調理したことがある人はわかると思うけど、肉って案外硬いし、
ホネとかスジとかに当たるからそう簡単に切れるものでない。
そして鉄の棒である刀自体も重い。そのときにあの短くて細い柄の所だけ握ってもうまく力が入らない。
バットみたいに先が太くなってるわけでもないから、
柄と刃の間に何かストッパーがないと自分の手がずるッと前に行っちゃって切れてしまう。
事件の後で、新聞などでよく公開されてる強盗とか凶悪な殺人犯が使った凶器に、
柄の部分にテープなどを巻いて滑りにくく・握りやすく準備されてたものがあるのはそのせいでしょうかね。
で、ストッパーであり、力をかける場所であるのが鐔ってことです。
これだけ知っているとかなり簡単になるはず。


問1 漢字。割愛したいけど。
ア、「ドウリョウ親族」ということは、身近な人たちにも油断ができないことを言っているのだから同僚。
選択肢に迷ったら、人偏である官僚を選ぶ。
イ、昔の人の考えてることなんか推し量ること自体が空漠。漠然とただっぴろいのが砂漠。
ウ、サービス問題のような琵琶の伴奏。添えて奏でてるわけで、一緒にの意味のある同伴。
エ、実質性・値打ちがなくなるとむなしくなるわけだから空疎。実質縁がなくなってる疎遠を選ぶ。
オ、神社だから神官という痛い間違いはこの問題では発生しない。選択肢に官がないから。
人気(ひとけ)のない神社の景色についてだから深閑か森閑のどちらか。
どっちにしても問題はカンのほうだから一緒。人気のない様子の閑散。


問2 もう解説疲れました。
ごめんなさいがんばります。消去法やってみます。
①「命をかけた実戦のための有用性」はOKだが
「乱世においても自分を見失わずしたたかに」のくだりに迷いを感じるので保留して次に行く。
1箇所で考え込むと時間が足らなくなるので。
②手ごろさが求められて・・・いないから×。
③手軽で生産性の高い簡素な形が求められていないから×。
④太刀を下げることが特権階級の象徴とみなされていたとは書いてあるが、
鐔が権威と品格を表現する装具であったとは書いていないので×。
⑤鐔が刀の評価を決めるポイントになるとは書いてないので×。
ちなみに拵=こしらえ。刀の付属品や外装など体裁をつくるもろもろ。 


てことで、間違いでないのは①となる。


問3 装飾のモチーフにに五輪の塔や経文が使われていても、
それを信仰や思想を意識して形式として施されたものと捉えるのは現代人のこじつけ。みたいな。
①本文には「【日常生活に糧を与えていた仏教】など考え難い。」とあり、【】内のことを肯定している。
それに当時浸透していた芸能に携わるのが最も良いなんて書いてないから×。
②本文の「知識の遊戯に過ぎない」は、「仏教的モチーフを仏教思想の表れと片付ける行為」を指しており、
当時の仏教のあり方についての意見ではない。なので×。
③文献から学べとか説教琵琶を分析しろとか全く書いてないので×××××。
④現代人が「仏教は葬式のためにある」と考えているとは書いてあるが、それが浅はかだとは書いてない、だから×。
⑤これも×だったらまた①から読み直さないといけないという不安に駆られながら読んでみるが、怪しいところもなく○。

「そんなに簡単に、言ってないから×とかいう判断でいいのか?」という疑問にお答えすると、
「筆者のどのような考えがあるか」と聞かれてるから、
筆者が述べていないことをひとことでも含んでいればその選択肢は×。

問4と5、みっちり書いたのに変なキー押しちゃって消えた。
がっくりしながらより簡素に書き直し・・・。

問4 傍線部Cは第2段落の最後の文を受けている。
鐔の透かしは意図的に作り上げられたものではなく、自然発生的に生まれたものであるという見方。
①鉄が一番いいとかそういう意味ではない。
②「おのずと生み出され」が魅力的。ほかの部分も支障がない。
③伝統の反映とか美の追求とかは意図した行動。
④「水をやれば芽が出る」というところに地金を鍛える技術力は要らない。
⑤同じく、加工の技量が向上した云々でなくて。
てことで②が正解。

問5 モチーフになっているものは自然や道具など、ごく身の回りにあるもの。
作者が神社を訪れたのは、原稿を書く前からの知人との約束。
そこでの風景を眺めているうちに出会った鳥の力強い美しさに感銘する。
職人が風物を見て鐔のモチーフとして取り入れた瞬間もこうであっただろう。
ってことでしょうか。
①鐔の模様が心の象徴とかいうのはこじつけ。
②鐔に優雅な文化への願いなんて込めてない。
③あやしい。後で考える。
④親の願いなんて込めてない。
⑤これも本物っぽい。③と比べて考える。
モチーフには思想とか願いとかが込められていたわけではない。
作者は、鳥の力強い美しさに感銘し、さらに
「こういうのを見た鐔工が書き写し、鶴丸透となったのだな」という考えに至ったのではないかと。
本能に触発されたとかいう意図的なものは違う気がするので、⑤

問6
(ⅰ)最初に全体を読んでいてこの2文に「ナニ?コノヒトハ」と思った人もいるとおもう。
反抗期の青年みたいな余分な突っかかりに見えませんでしたか?
「こんなこと言う人がいるけどそんなの関係ないから」とか
「そんな余分なところ突っ込まないで」みたいなこと、わざわざ書いちゃうんだ?
って思いながら私は読んでました。
① 本文は、言葉だけなのかどうか・面白いかどうかという観点で書かれてないので捨てる。
④読者の不安なんか煽っていない。
②と③で考えます。自説を展開する前に他説を否定しているという見方は同じ。
違いは、「議論しても仕方ないとはぐらかした上で」なのか
「ありがちな見方を最初に打ち消してから」なのか。
はぐらかしでなくて、完全に否定しているので③
(ⅱ)
パート1 鐔の変化についての考察。
パート2 具体的にどういう柄なのか。
パート3 鉄鐔の成長について
パート4 考察を事実と重ね合わせた経験談(実証)
②・③の言うようなつながり方がない。
④1つめの部分は個別例でなくテーマの提示。
①の、「1と234」という分け方が適切。

第1問終わり。

第2問
牧野信一は残念ながら読んだことがない。
(コメントそれだけ?)
昭和時代の文章はたくさん読んでおいてね、としか。
地球儀って大げさで子供が一度はあこがれるアイテムな気がするんだけど、
実際あると邪魔で、最初のうちこそ見たこともない外国の場所を確認してみたりするんだけど、
そのうちに回して遊ぶだけになり、さらに邪魔になる・・・。
思うんだけど、ビーチボール式にならないんでしょうかね?
使わないときは畳んで片付けられるように。
畳んでしまうと一生取り出されることがなくなりそうだけど、
そのくらい「あっても使わないもの」でもある。
主人公・純一の実家ではそれを邪魔にしながらもまだ保管している。
それは家族が純一の父を諦めきれない気持ちでいることでもある。

第1問の評論・随筆と違って、第2問は解説が難しい。
高校生のとき、現国は好きでテストも苦にならないのに、授業を受けることが好きでなかった。
なんでここの心情をそんなに時間かかって喋るんだろうって思っていたのですが、
フィクションを解説するって本当に難しい。
自分の解説の説明をさらにつけないと伝わらない気がして、
説明してるうちになんか違うこと書き始めそうになるし・・・。
先生ゴメンナサイでした・・・。
(前もって言い訳が多すぎ。)
それと、これは我流だけど、
この作品のような私小説(=主人公を”私”と呼び、”私”の目線で語られる形式)を読み解くとき、
私=主人公の名前(この作品では純一)に置き換えて読んでいくと、
なんだか客観的に処理できて解きやすい気がする。

問1 ア 「もういいわ勝手にして!」って言われたことありませんか?
愛想をつかした人の定番せりふです。
(文中でも純一が「勝手にすればいいさ」といってますが、それの説明ではない)
愛想をつかされると、何をお願いしても、ごめんごめんといっても、テキトーにあしらわれるだけ。
つまり、愛想を尽かした人はまともに取り合わない。
だから、愛想を尽かした母は純一の言葉を半聞き流し状態で②~⑤は一気に消える。
また、直後に「私【も】~厭になった」とある。ということは母も「イヤ」と思っている。だから①

イ これ難しい。たぶん私たちが普段使っている「間が悪い」は、BADたいみんぐ。
だけど選択肢をみるとどうやらそうではない。
『御伽噺』の中の家族は、先ほどの純一と母の会話から推測される彼の家族と違っており、
アメリカはあこがれであり、父がアメリカにいることは誇りであるかのよう。
しかしその実、祖父の笑い顔はさびしげであり、電話がつながらないことはがっかりなことであり、
純一も、最後のほうで「早く回れ」が心の中で「早く帰れ」に変換されてしまうように、
父に会いたがっている。
みんな父への思いを抑えている。
会話のリズムとしては、
「英語やってる?」 YES!
「アメリカ行く?」YES!
「父さん帰ってきても行く?」YES!と来ており、それが普通は楽しいはずだが、
YESといったものの、それはウソだとそこには書かれている。
みんなの雰囲気を察していて、正直に自分だけ甘えたこと(父さんと暮らしたい)をいえなかった。
間が悪いというよっか「跋(ばつ)が悪い」という雰囲気。
てことは⑤
小学校に上がる前なのに、けなげな子供です。

ウ 強い意志を示す言葉。文章の前後から見てもそれで間違いないので④

問2
①父は高圧的な態度をとっていない。×
②純一は、放蕩オヤジなんかほっとけばいいさと、怒ってる母と一緒になって言っている。
③懲らしめることなんか考えていない。×
④父が戻る話なんか出す予定がないし、母はもうとっくに諦めている。×
⑤「勝手にするがいいさ」つまり「帰ってこなくってもいいさ」だから家に戻す話にはならない。×
だから②

問3
丁度『御伽噺』のことを思い出した処だったので、突然テレ臭くなって 
と、テレの理由がはっきり書いてあるので、①と③はない。
自分の発した「帰るな帰るな」が、御伽噺中の「早く帰れ早く帰れ」と対比されている。
そのことがテレの原因と書いてあるので④

問4
直前の叔父と母の会話もきちんと押さえて考える。
まず、③の「評価を求めて」は、傍線部のある段落の内容とちがうので×
④も、自分の不満を理解してほしいとか思ってないので×
⑤も、父のことを責めようという気持ちは純一にはなく、本音は御伽噺の内容に近い。だから×
①叔父以上に母が父と見下していると判断できる点が見当たらないから×。
文句は言いながらも地球儀を捨てられないところから、諦め口調とは裏腹な匂いも感じてほしい。
②「自分を省みざるを得ない面もあり」は、直前の母と叔父の会話を聞いてしまっていることからOK。
父の行動に対しての純一の発言はその時々でブレてちゃらんぽらん。②を選ぶ。


問5 「自分で自分を擽る思いがして」だから、純一は「むふっw」と思っちゃったわけです。
ほんとに能天気な主人公です。
御伽噺に描いた息子が父を慕う様子を、純一自身とその息子に当てはめてひとり喜びしてるので①が正解。
ちなみに、純一の息子の英一は「去年の春」に生まれたばかり。
母と純一の会話の中で、庭につつじが咲いているから英一の年はまだ1歳になったばかり。
ということは、まだ地球儀で遊んでもいなく、意思云々もバブバブ。。。(すみません)
②の「息子の成長を見守り~」のくだりはどこにも書いていない。
③「地球儀を彼に引き継ぎたいと主張した~」と選択肢にあるが、「英一が玩具にするかも」という言葉は「も少しでそう云うところだったが~呑み込んでしまった」、つまり、発していないので全くの間違い。
④御伽噺の内容は父への思いを暖かに表現しており、純一が、育った境遇について恵まれなかったと思っているような内容も見かけられないので×。
⑤短編のテーマも×。英一babyへの期待も×。

問6 解答は2個、
①「どちらの場面も一人称を使って語られることによって」とあるが、御伽噺は一人称を使っていないので×。
②地の部分よりも会話が多くを占めて進んでいく。純一の言葉遣いは、基本的には目上の母や叔父に向かって話すときは敬語。たまにポロリと敬語でない言葉が出る。()は法事の席でのしどろもどろの挨拶の最中の心の声。それによって~の説明については、ウーンこのひとの作風じゃないの?純一はその場しのぎの発言ばかりの男ではあるが、それを文体でを表現してるわけじゃなく・・・。他の読んだ事がないからわかんないやと思いながら保留にして次を読む。
③場面や状況を説明するために―――が使われているんじゃなく、どっちかというと以下省略的なはぐらかしだから×。
④御伽噺の内容は選択肢の説明するとおり。今の純一の心の底にある思いをそこから知ることが出来る。
⑤母が英語が下手とか隔たりを表現とか、そんなことではないので×。
余計なことだが、この時代に、原稿用紙に英語混じり文を書くって発想あったのかなあ・・・?
作者は結構真面目に、発音をカナ表記してるんじゃないだろうか。
試験中に深く考えるところじゃないけど。(笑)
⑥最後の1文だけ現在形なのは、3日前からの出来事を話してきて、現在に追いついて終わったということかな。
後片付けしている3日目も過去だったら、「その前の年の春生まれた私の長男だった。」になるから。
このことは、法要と御伽噺の時勢の違いに何等影響していないので×。
面倒くさい選択肢ばかりでうんざりしたけれど、結局×をつけなかった②と④が解答。

第3問(古文)と第4問(漢文)はタイトル分けて掲載します。

(近日掲載するつもり。少々お待ちを。 って、最近検索してきてる人もいないからゆっくりでいいかなぁなんてw)




 

 ■■■追記
2016年センター国語の解答解説(現・古・漢)をアップしています。
御用のある方はどうぞっ!


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