忍者ブログ
ほんとのこととか作り事とかいろいろ書いています。
[350]  [349]  [346]  [345]  [344]  [343]  [341]  [340]  [339]  [338]  [337
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

町田康の作品を(いつも、作家の名前を呼び捨てしていいものかどうか悩むが、さんをつけるとなんだか慣れなれしくて申し訳ないので、ごく客観的に敬称抜きで書くことにします)読んだことがなかった。
ミュージシャンでしょ?って思っていたら、芥川賞とかいろいろ受賞し、選考委員までなさっている・・・。
嫌いとかなんとかでなく、彼の写真が表紙になっている本を手に取り、照れて開くに至らなかったり、なんとなくご縁がなかったのです。
いまさらながら、そしてなぜか沢山の作品の中からあえて10年前の作品『パンク侍、斬られて候』を読んでみた。

これはおもしろい。

なんと言ったらいいのかなー、
大衆娯楽読み物の横綱って感じなんだけど、その内容と表現に反して芯が砕けておらず、やたら読みにくいがそんなことはぜんぜん気にしないで突っ走ってしまえる面白さは、ちょっと他にない感覚。
どーいったらいいかなー?
うーん、京極夏彦がパンクしている感じ???
いや、京極夏彦がパンクしたらどうなるか実際は知らないけど、題材とか奇譚さとか血なまぐささとか、そういうのが京極夏彦に共通するような気がするんだけど、文章がパンクしちゃってて楽しすぎる。この作品なんか時代物なのに、時代考証とか無視した会話や独白の連続で、ニヤニヤしてしまう。しかしそれは、「変なのw」っていうニヤニヤでなく、「そーだよね、こういうやついるよね」という、現代社会の風刺がピリピリ利いていることの爽快感によるものである。


このひとは、パンクロックを文章化してしまった。

て、そんな印象かなー。
でもほんとにすごい。村上春樹に感じる「文章のうつくしさ」なんて、まったくない。技巧もへったくれもなく、このひとは1回原稿用紙に書くと(もしくはPCに入力?)二度と推敲とかしてないんじゃないかという思いっきりのよさを感じる。そしてそれが、血みどろで狂気に満ちた出来事をクールダウンする効果を持っているのか、疲れずに読み進められる効果を持っている気がする。シャウトとバラードが交互に聞こえてきながらどんどん盛り上がっていくライブみたいな感覚がたまんない。面白い。
なるほど、次々と受賞したのも納得がいく。「コレなら書けるわ」なんて舐めたことをだれにも言わせないくらいの堂々とした作風である。
ロックも小説も、ハートなんだな。ってうんうん頷いてしまった。
PR
風俗系とか出会い系とかショップ系のコメントはお断り。
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
サイト内検索(イマイチ)..........
カスタム検索
 
プロフィール.........................
HN:
きの。
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
■モノカキ志望だけどハジカキの方が多そうなこの人生の「言い訳」や「いいわけ?」。

■隠し事下さい。ちゃう。書く仕事下さい。

■リンクは勝手にバンバンしてください。気がついたら黙ってこちらからお伺いします。
 URL:http://jura.blog.shinobi.jp/
 サイト名:KINO.blog
でお願いします。

■「KINO.blog」と同一または類似の名称のサイトは山ほどあるみたいですが、ここからリンクしていないサイトはどちらさまも私とは無縁です。
おすすめ.......................
アーカイブ.........................
携帯からもどうぞ
■Kino.BLOG
またのお越しをお待ちしております


忍者ブログ [PR]