ほんとのこととか作り事とかいろいろ書いています。
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4月24日(月)の朝日新聞夕刊「文芸時評」(文芸評論家・加藤典洋さん執筆)は、大変うれしい記事だった。
冒頭で、近年の面白い小説家として、村上春樹と高橋源一郎が並べて挙げられているのだ。
わたしはキャーと叫びたくなるくらいうれしかった。
だって、そのふたりは、私が一番大好きな小説家として、いわば東西の横綱のように、あるいは東大寺南大門の阿吽の仁王像のように、私の頭の中にズシーンと鎮座している2人に間違いないからだ。
私の目もまんざらじゃないわね。。ウフフ。(自己満かよ
村上春樹はあまりに大作家になってしまって、いまや、私が良いよと言わなくても「あたりまえじゃん」な作品を書く人である。
そもそも私がこの人の作品と知り合ったのは、箱入りハードカバーのめちゃくちゃ分厚い本「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だった。
その面白さに一撃でノックアウトされた私は、せっせと他の本も買い漁り、読みまくった。読み落としたら損をするかのように。
だけど、興奮していたのは私だけで、そのころはまだ村上春樹はブレイクしていなくて、
「なに読んでるの?」
「村上春樹」
「ふーん。おもしろいの?」
「うん。すごく好き」
「ふーん。」
とまあそんな感じだった。
しかしその会話を交わした人が後日、「ノルウェイの森」を読んで感激したと私に告げに来たわけだが、残念ながら私はこの絶賛を浴びたベストセラー作品を、あまり好きでない。世間の評価は高いみたいだけど、それまでの作品とはちょっと匂いが違うんだよね・・・。
この人の作品の魅力は、「時空軸のズレと自立した主人公」である。
彼の作品に登場する主人公のほとんどは、ありえない状況に置かれ、異世界と現実を行き来し、謎の渦に巻き込まれてギリギリなところでのた打ち回るのだが、しかしその生活はとても無駄がなく清潔で規則正しい。
口をあけてガーガー眠りこけているところを奥さんに何度も起こされるような男ではなく、一人暮らしでも身の回りのことを難なくきちんと処理している、夢のような男性である。
こういう生活をしていると、ある日突然交通事故にあって死んじゃったりしても、そのあと誰かに部屋をだれかに見られたってぜんぜん恥ずかしくないんだろうなあ、なんて思う。
わたし?
見られたらかなりまずい。
「うわ・・・こいつこんなにだらしなかったのか。。ヒエー。。こんなものまで大事にとってあるよ。捨てろよなあ・・・・」なんて、見た人は呆れたり怒ったりするに違いない。
話を元に戻す。
彼の書く主人公はそのようにとてもオサレだが、彼の文章もまた美しい。清浄で澄み渡った、しかし重みのある風景が目の前に浮かぶ。伝わって来る印象は、それが洋風の景色であっても、まるで日本画のようだと私は思う。
彼の文章が川端康成に譬えられるのは、そういうところじゃないかなって思うわけ。
そして、高橋源一郎。
この、加藤氏の夕刊の評論を読んだ人の中には、「村上春樹はいいけど、何で高橋源一郎だよ」と不満に思う方も多いだろうと思う。
夏目漱石をネタにした朝日新聞の連載小説をお読みになった方ならもう既に認識していらっしゃるだろうが、高橋源一郎はそのくらい癖があり、読者は、その面白さを理解したくない人と理解出来ちゃう人に二極分化してしまうのである。
村上Hが川端なら、高橋Gは三島由紀夫だと私は思う。
この人の最初の作品「さようならギャングたち」は、文庫本ながら私の一番の愛蔵書であり、バイブルであり、夢である。
わたしは、この前にもこの後にも、これほどまでに優しくて悲しくてシャイでクールで詩的な作品に出会ったことがない。たぶんもう出会えない。好きで好きで、仕方がない。
好きなものを語り過ぎて疲れた。
何言いたかったんだっけ。
村上Hは海外でも高い評価を得て翻訳され、戯曲化もされている。
高橋Gの「さようならギャングたち」も、とうとう翻訳されたらしい。
このふたりの作品にある空気、とてもかすかな匂いしか発しない。だけどしっかりと心の奥深くにまでに沁み込むその芳香は、翻訳されてもちゃんとそこに残るのだろうか。そしてそれは外国人にも読み取れるのだろうか。
冒頭で、近年の面白い小説家として、村上春樹と高橋源一郎が並べて挙げられているのだ。
わたしはキャーと叫びたくなるくらいうれしかった。
だって、そのふたりは、私が一番大好きな小説家として、いわば東西の横綱のように、あるいは東大寺南大門の阿吽の仁王像のように、私の頭の中にズシーンと鎮座している2人に間違いないからだ。
私の目もまんざらじゃないわね。。ウフフ。(自己満かよ
村上春樹はあまりに大作家になってしまって、いまや、私が良いよと言わなくても「あたりまえじゃん」な作品を書く人である。
そもそも私がこの人の作品と知り合ったのは、箱入りハードカバーのめちゃくちゃ分厚い本「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だった。
その面白さに一撃でノックアウトされた私は、せっせと他の本も買い漁り、読みまくった。読み落としたら損をするかのように。
だけど、興奮していたのは私だけで、そのころはまだ村上春樹はブレイクしていなくて、
「なに読んでるの?」
「村上春樹」
「ふーん。おもしろいの?」
「うん。すごく好き」
「ふーん。」
とまあそんな感じだった。
しかしその会話を交わした人が後日、「ノルウェイの森」を読んで感激したと私に告げに来たわけだが、残念ながら私はこの絶賛を浴びたベストセラー作品を、あまり好きでない。世間の評価は高いみたいだけど、それまでの作品とはちょっと匂いが違うんだよね・・・。
この人の作品の魅力は、「時空軸のズレと自立した主人公」である。
彼の作品に登場する主人公のほとんどは、ありえない状況に置かれ、異世界と現実を行き来し、謎の渦に巻き込まれてギリギリなところでのた打ち回るのだが、しかしその生活はとても無駄がなく清潔で規則正しい。
口をあけてガーガー眠りこけているところを奥さんに何度も起こされるような男ではなく、一人暮らしでも身の回りのことを難なくきちんと処理している、夢のような男性である。
こういう生活をしていると、ある日突然交通事故にあって死んじゃったりしても、そのあと誰かに部屋をだれかに見られたってぜんぜん恥ずかしくないんだろうなあ、なんて思う。
わたし?
見られたらかなりまずい。
「うわ・・・こいつこんなにだらしなかったのか。。ヒエー。。こんなものまで大事にとってあるよ。捨てろよなあ・・・・」なんて、見た人は呆れたり怒ったりするに違いない。
話を元に戻す。
彼の書く主人公はそのようにとてもオサレだが、彼の文章もまた美しい。清浄で澄み渡った、しかし重みのある風景が目の前に浮かぶ。伝わって来る印象は、それが洋風の景色であっても、まるで日本画のようだと私は思う。
彼の文章が川端康成に譬えられるのは、そういうところじゃないかなって思うわけ。
そして、高橋源一郎。
この、加藤氏の夕刊の評論を読んだ人の中には、「村上春樹はいいけど、何で高橋源一郎だよ」と不満に思う方も多いだろうと思う。
夏目漱石をネタにした朝日新聞の連載小説をお読みになった方ならもう既に認識していらっしゃるだろうが、高橋源一郎はそのくらい癖があり、読者は、その面白さを理解したくない人と理解出来ちゃう人に二極分化してしまうのである。
村上Hが川端なら、高橋Gは三島由紀夫だと私は思う。
この人の最初の作品「さようならギャングたち」は、文庫本ながら私の一番の愛蔵書であり、バイブルであり、夢である。
わたしは、この前にもこの後にも、これほどまでに優しくて悲しくてシャイでクールで詩的な作品に出会ったことがない。たぶんもう出会えない。好きで好きで、仕方がない。
好きなものを語り過ぎて疲れた。
何言いたかったんだっけ。
村上Hは海外でも高い評価を得て翻訳され、戯曲化もされている。
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