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働くのをやめられなくて亡くなる人がいる一方で、彼女の場合は、働くことができなくて苦しんでいるである。

家の事情で大学4年目に必死でアルバイトしなければならず、満足に就活ができなかった。
それでなくとも氷河期が続いており、就活に励んだ学生でも卒業間際まで内定がもらえない者が珍しくはなかった。
卒業後ハローワークの紹介で、事業者のための国の補助金の制度を利用している会社に一旦は就職できたかと思ったが、3か月の研修期間が終わると「事業の再編で、人が要らなくなったので」と、即解雇された。
研修期間だったため、雇用保険も掛けてもらえておらず、新卒でそれについて疑問に思うこともなく、1か月前に解雇の通知もなく、「今日で契約が切れた」と何もなしで放り出されてしまった。
次月の社員旅行の部屋割りにも入れてもらっていたにもかかわらず、である。
新しい仕事に必死でついていこうと頑張った挙句のことで、彼女の心は折れてしまい、1か月の間はご飯とお風呂以外自室のベッドでただ眠って過ごした。

弱いと言えば確かに弱い。
負けずに頑張らなきゃと一般的には思うし、そう思って頑張れる人のほうが多い。
だけど、折れてしまったのだから仕方ない。

わたしは何もできない。

家族は彼女に、少しずつ家事の役割を与えた。
「何もできない」から脱出できるかもしれないと思った。

5年である。
そこから5年。専業主婦並みに掃除洗濯食事の用意をこなし、チラシをチェックして買い物に行き、家計の支出についてもよく考えている。

だけど、外へ出て働きなさいと家族に言われると、暗い瞳になり、「ごめんなさい」としか言えなくなる。

わたしは何もできない。
何もしてこなかったと誰もが思っている。
だから私なんかどこにも就職できない。


そういって涙を流す。

もしもこれが私の知らない人の話であったならば、「病院に行ったほうがいいんじゃない?」と言ってしまうかもしれない。
だけど、知っている人が、---家計をやりくりして、毎日違う献立を考え、冷蔵庫の中身をきちんと管理している人が、精神を病んでいるとは認めたくない。
しかし叱咤激励しても、彼女が頑張れる雰囲気は薄く、やりすぎては変な気を起こされかねないと家族は腫れ物に触るような気持ちで接している。


毎日思う。
もし彼女が病院に行って、投薬によって気持ちが軽くなるならば、その勢いで就活もできるかもしれないと。
5年もブランクがあれば、たとえ家事が完璧に出来ることを周囲が知っていても、採用面接では何のプラスにもならない。それどころか、怠惰に5年を過ごしたと責める面接官がいても不思議ではない。心が折れないような何かがないと、きっと壁は越えられない。

そうなってしまったことは事実なのだから、彼女本人も認めなければならない。
心が弱いことも合わせて、他人から批判されても受け容れて乗り越えなければならない。

最初からその強さがあればこんな5年は過ごさなかったと思うが。


これからのこと。
社会に奉仕はできなかったが、家族を支えたという事実には自信を持ってほしい。
5年は彼女と家族にとっては無駄でない日々だったに違いない。
だから5年を恥じることなく、1歩分ずつでも、社会に向けて新しい道を拓いてほしいと思う。








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無題
やりきれんなぁ・・・
すの^-^まん URL 2017/05/07(Sun)19:32:26 編集
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