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ほんとのこととか作り事とかいろいろ書いています。
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今日は18禁ってことにします。
18歳以上でもお好きでない方はスルーしてね。


「ルバートでお願い」と、彼女はたまに囁く
Rubatoの速さで

初めて聞いたとき、僕はその意味を知らず、その語感からゆったりした速さだと勝手に判断してみた。
それでも彼女は何も言わなかったので、その後しばらく僕はゆったりやわらかに彼女を愛撫し、そして眠っている猫をなでるように、大きくやさしくゆっくりと、しかし力強く、彼女に挿入し往復を楽しんだ。
そんなときに、僕らの体のうねりの中でなぜかいつも聞こえてくるのは、秋の終わりに一緒に行った太平洋に面した長い砂浜の波の音で、なんでこんなに温かいのに、そんな冷たい風景がよみがえるのか、僕は少し不思議に思っていた。

「ルバートでしてね」と、彼女がまた囁いた。
僕は「えっ?」と小さく聞き返したが、彼女はそれっきり何も言わずにまた、目を閉じて僕の動きに体をまかせた。
いつもどおりの「ルバート」を、僕はそのまま続けてみたが、その日僕の耳には海の音は聞こえず、温かい彼女の体温が妙に生々しく体の表面に沁みてくるだけだった。

ルバートの意味を間違えているのかもしれないと、僕はそこでやっと疑い、彼女が寝入ってしまってから携帯を取り出し、いまさらながら「ルバート」の言葉の意味を探した。
Rubatoは「盗まれた」という意味の言葉で、音楽を演奏するときに決まったテンポで弾かないで表現することを求めているのだと、僕はそのときにはじめて知った。「盗まれた」のは、その音楽のための決まった速度。速度を決めないということを表すために、「盗まれた」だなんて、音楽家はやはりお洒落で、想像もつかない感覚的な生き物だ。

決まった速度を持たない。つまり演奏者はその楽譜から感じ取った速さでそれを奏でなければならない。ならばその速さは、その奏者が、かつそれを聞く人が心地よいと思える速度でなければならず、つまり、よい音楽になるかどうかは、奏者の腕と感覚次第ということになる。
彼女はとても難しい、そして限りなく贅沢な課題を僕に出していたのだ。
盗まれた彼女の快感の形。僕はそれを探し出して彼女に返してあげなければならない。そのためには僕は、僕の決めたやり方でなく、彼女の表情と体の反応ををより繊細に観察しながら盗まれたものを探していかなければならない。
いつも淡淡と僕に身を任せていた彼女が、そんなとてつもない要求を僕にしていたなんて。
そう気がついた瞬間、体の中にいまだかつてない熱く大きな波が押し寄せ、僕はたまらず寝ている君をかき抱き、激しいキスで起こし、そしてRubatoで、もう一度僕らの音楽を奏で始めた。
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