忍者ブログ
ほんとのこととか作り事とかいろいろ書いています。
[1]  [2]  [3
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

僕たちはその頃、確かに恋をしていた。
はるか遠い深海の形も知らない魚たちが、
静かに静かに呼吸するように。




////////////////////////////////////////////////////////////////////

久しぶりに、何か書きたいなあと、そんな気分になってきたので。
続きはいつ書くかわかりません。
日記とランダムで登場するかもしれません。
絵空事と生活の接点になるのがここ。
PR
「1分間」

あなたと話すには短すぎるけれど、
息を止めていたら死んでしまう。
久々にフィクション。

娘が19になったので、誕生日になにが欲しい?ときいた。すると、娘は、
「鳥の着ぐるみ」と言った。
わたしは1着の白い着ぐるみを娘に与えた。
プラスチックのくちばしがついていて、座布団半分くらいの大きさの、パタパタと自由に動く涙形の翼がついている。
娘はそれを受け取るとにこりともせずにそれを着、部屋の中を丸く1周歩いた。
そして、台所で葱を切り始めたわたしのところにきて、まるで連絡事項を伝えるようにこう言った。
「じゃあわたしは今日から、鳥になりましたので、お皿に入ったスープは飲めません」
そしてコッコとつぶやきながら自分の部屋に戻っていった。



皮膚細胞から色々な組織が作られるようになり、その技術は年々進化し、今では臓器のほか、体の一部も再生できるようになった。
しかし、細胞がいつも必ず思ったとおりに増殖して器官を形成するとは限らない。卵子の発達段階で先天的な障害がでてしまうのと同じで、細胞の増殖の結果は一通りとは限らないのだ。
再生医療はもちろんオーダーメイドとなる。再生することが目的だから、出来上がるパーツは完全でなければならない。しかも、卵細胞や受精卵を使った増殖と違って倫理の問題はなく、元がただの皮膚であるだけにわざわざ失敗作を移植するようなことはありえない。作り直してでも希望にかなったパーツを移植する。

薬物によるドーピングが昔のスポーツ界ではよくあった話だが、いくら薬で能力を引き出しても、もともとの筋肉や神経の性能には限界があり、どこかで「いくらアクセルを踏んでもそれ以上は走れない」という壁にぶつかる。もしもそれをも超えるような薬があれば・・・そのときはその筋肉はぼろぼろになり、二度と使い物にならなくなってしまう。

それならば、根本的な性能を向上させなければならない。
皮膚細胞から大量のパーツを作り、その中で突然変異的に出現したスーパー細胞を増殖させ、体の一部を作る。そして持って生まれた体の一部と交換する。これが近頃のスポーツ界での常識だ。
オリンピックやプロの選手はみな、フランケンシュタインのような継ぎ目だらけの体で超人的能力を見せつけ、観客を魅了する。そして、身体能力の限界に挑戦するかのようなアクロバット的技術の競演が繰り広げられる。なんせ、腕一本折れようが、また移植したらいいのだから。彼らのスポーツドクター達は、常にあらゆるパーツを培養させて変異を待っているので、程々の能力を備えた交換用パーツならばいつでも手に入る。ただくっつけてなじませる日数だけ、競技を休めばいいだけなのだ。

高価な報酬で契約されているドクターの研究室は、その報酬の高額さゆえ、ワガママな花形選手の要望に常に応えられるようにしていなければならない。ただ培養し見守る日々には心労があるわけではないが、ドクターは仕事の悩みを抱えている。
それは、医療ゴミの問題だ。
手術等で出た、切り取られた人間の体の一部は、医療ゴミとして処分される。移植で切除した部分を捨てるだけならば、そう大した量ではないのだが、この再生医療のゴミといったら・・・・。
なんせ「普通のパーツ」は捨てて「突然変異のスーパーボディ」だけを残そうというのだがら、捨てるパーツが使うパーツの何十、いや、少ないものでも何百倍も出てくる。腕のごみ、太腿のゴミ、そういうものが日々廃棄される。美容整形に関わる再生医療機関ならば、鼻のゴミとか、耳のゴミとかももちろん、交換したいと客が思うパーツが一通り。
完成品、それもヒトの体の一部を大量に捨てる医者も複雑な気分だが、回収業者だって一見バラバラ死体の山のような医療ゴミを処理するのにうんざりだ。いくら「再生品」の証明書があっても、人の体の一部分を処理するというのはやはり気持ちのいいことではない。

某大学での再生技術の進化に関する実験がまた成功したというニュースが入ってきた。
今度はヒト1体を完全培養したらしい。
次の時代の課題は、男性の皮膚から女性を作り出すことらしい。染色体レベルのチャレンジになるのでこれは難しそうだ。
「しかし、近い将来、必ず実現できると思います」と大学教授はカメラに向かって胸を張った。
ヒト本体の形をしたゴミが出る日も、そう遠くないというわけだ。  (終)


*もちろんフィクションです。
無断転載やネタぱくりは固くお断りいたします。

                           
『ありえん。』バックナンバーはこちら

何年も前から決めていたことがあるのです。

東京にとても会いたい人がいて、
(そのくせこっちに来ると言われても会っていませんでしたが)

もしも会うなら、
もしも、私が東京に行く機会があれば、

地獄の門の前で待ちたいと。

「今東京に来てます
 上野の地獄の門の前にいます」


相手が仕事中でも昼寝中でも彼女とショッピングの途中でも、
前触れもなく突然そうメールして、そしてそこに居てみようかと。



ずっと果たせず果たせない、そして果たさない夢で、
ずっとその夢を抱いて生きてるのも楽しいんじゃないかって
そういう本当の「夢」。



先日その人が車を買い替えたのですが、
納車の3日ほど前に、とてもうれしそうにその車の話をしてくれて、
「じゃあ、そういうことで、今度きみを拾いに行こうかな?」
とそういう方向に。
え?それはちょっと・・・と思ったけど、新しい車に、まるで子どものようにわくわくしている様子が思いっきり伝わってきてたので、そこで「だめ」とか「考えさせて」とかいって気分を壊したくなかった。
だからありがとうと軽く話に乗ってそのまま車の話を聞いた。

それがGWのちょっと前。
その日話す前も何日間か、その人は車の購入手続きで忙しかったとかでネットにいなくて、そしてその話をして機嫌よくおやすみを言ってからも、その人はネットに来ていない。
よほど車に夢中かな。
東京から来るなら連休でなければ無理。
だけど慣らし運転を必ずする人なら、いきなり高速で飛ばしてくることはない。
GW中はだめだろう?
いや、勢いのついてるところで無理して来る?
本当に来るといわれたらどうしようか考えて、
そろそろ年貢の納め時かと腹をくくった。
それはなぜかというと

今こちら側にも「地獄の門」があるから。

今地元の美術館で開催中のロダン展で
「地獄の門」を展示している。
その前で会えるなら。
「門」が、そのためにこちらにも現れているのなら、
それは
必ず
会わなくちゃいけない。


だけど、そう決意してからも相手は音沙汰無しで
おとといネットで見かけたけれど、私は姿を見せず隠れてて・・・。
相手の知らないことながら、私は当然祝日も出勤で、
だから、もう、二人で門の前に立つことはないだろう。

ほっとしているのも事実だ。
だけどドラマは見れなかったよね(笑

15日まで門はここにある。
立ってみようか、一人でその前に。
そして上野の門の前にもその人が立ったなら、
奇跡が起きて門の扉が開くかもしれない。

「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」
という銘文が添えられたこの門が、重い扉を開いたら
その向こうにいるその人の前に、
私は足を踏み出すことが出来るだろうか。
そしてその人は向こうから、こちらへ歩いてくるだろうか。


叶えない夢を叶えることは
希望を捨てる代償に望みを叶えるのと同じくらい
悩ましい、決断の付かない、踏み絵のような選択なのです。








TEXT1にUPしました。
サイト内検索(イマイチ)..........
カスタム検索
 
プロフィール.........................
HN:
きの。
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
■モノカキ志望だけどハジカキの方が多そうなこの人生の「言い訳」や「いいわけ?」。

■隠し事下さい。ちゃう。書く仕事下さい。

■リンクは勝手にバンバンしてください。気がついたら黙ってこちらからお伺いします。
 URL:http://jura.blog.shinobi.jp/
 サイト名:KINO.blog
でお願いします。

■「KINO.blog」と同一または類似の名称のサイトは山ほどあるみたいですが、ここからリンクしていないサイトはどちらさまも私とは無縁です。
おすすめ.......................
アーカイブ.........................
携帯からもどうぞ
■Kino.BLOG
またのお越しをお待ちしております


忍者ブログ [PR]