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僅はじめ氏のエッセイ『ネコじいさんのそぞろ歩き』を読んで、丸一日考えを巡らせた。
お母様の介護のくだりは、親の老後を案じると自分と家族にも起こらないとは言えない身につまされる話。
不安の一つは、「自分の親がもしそうなったら」だけど、それよりもなによりも、「もし自分がそうなったら」のほうが恐怖である。
当の将来の自分は、そうなってしまったら恥も何も感じなくなっているわけで、つらいとは思っていないかもしれない。
だけど、そうなる前の自分から見れば、羞恥の極みであり、そうなる前にいっそ死んでしまいたいと思ったりもする。
自分の親がそうなっても、それでもきっと生きていてほしいと願い続けると思うのだが、自分がそうなるのは嫌だ。考えただけでも辛くて、申し訳なくて、恥ずかしくて、

いっそ、姥捨て山にでも捨てられたい

風呂のタイルの目地をこすりながら思いついた選択肢がそれであった。

さらに、昔観た映画『楢山節考』を思い出し、姥捨てという風習について考えた。
映画は、伝承に残る貧しい山村の「姥捨て」をテーマにしている。
70になったら老人は皆自主的に山に行かなければならない。実際は、冬の真っただ中の年末の夜に人目を避けて息子が山に連れて行き、置き去りにするわけである。
しかしそれはその村の伝統的な風習であり、貧しい村の口減らしの意味もあり、捨てるほうも捨てられるほうも、定めを受け入れてそれに従っている。

子孫が食いつなぎ村を守るという意味があるにせよ、生きている親を山に捨てる(そして凍死か餓死させる)という風習は残酷極まりなく、映画を観る私は、風習を理解して抗わずそれを受け入れる老婆に涙したり、谷に父親を突き落として逃げ帰る息子に腹を立てたりしたものだ。

しかし。と、タイルの目地をこすりながら私は考えた。

福祉や介護用品の助けがある現代でも、認知症の老人の介護は相当大変だ。
昔の貧しい村人がもしも自分の親を介護するという経験をしたら、自分は子供にそのような思いをさせたくないと思うのは当然のことであろう。だから老人は馬捨てを受け入れてきたのか。
いや、そうじゃないような気がする。
子供のためじゃなく、自分の尊厳を守るために、自分が理性を失う前に家族の前から姿を消したいと願って自ら山に入ることを決めたのではないだろうか。

人の老い方は人それぞれであり、100歳まで生きても思考が衰えない人もおれば、早くに人の手を借りなければ生活できなくなる人もいる。
山に置き去りにされても、生命力が強く、生き延びてしまう人もいたであろう。そうやって山に住んだ人が『山姥』の昔話になり、親を捨てたうしろめたさがあるからそれは、見てはいけない・探してはいけない存在とされたのかもしれない。

山姥って話はよくあるが、山爺って話はあまり聞かない。
女性のほうが生命力があったのだろうか・・・・?

話がそれた。

そうやって「姥捨て」に対する見方を変えると、『楢山節考』の見方も少し変わってくる。
残酷な物語ではなく、人の尊厳について深く考えさせられる作品となる。

自分がどう老いるかは予想できない。
せめて「老いる前からずっと困った人」でなく生きていたい。

とりあえず、明日遅刻しないように、そして家族にちゃんとお休みを言って寝るだけである。







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