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「奈良の早起き」という言葉を聞いたことありますか?
落語なんかにもなっているようですが、ざっと肝心なところだけ説明すると・・・

奈良の鹿は神聖なものとされており、
家の前で鹿が死んでいると「オマエが殺したな!」なんてきつく罰せられる。
それが怖いので奈良の人は早起きし、
家の前に鹿が死んでいたなら、誰にも見られないうちに隣の家の前に死骸を引っ張っていく。
そういうお話。

さて。
少し前のこと。
イオンで買い物してレジ台で荷物を詰めていると、
後ろを通ったおじいさんに声をかけられた。
「もしもし、落としていますよ」
足元を見ると、見慣れないピンクの長財布が。
「いや、私のじゃないです」
と顔を上げるとおじいさんはショッピングカートを押しながら
もう背中を見せて立ち去っている。(はや!
周囲の人はフッと目をそらすし、
仕方ないので、自分の荷物を詰め終わってからサービスカウンターへ。
お礼なんかいらないからただ渡してさっさと食品売り場を後にした。

その次の週。また同じイオンに行き、
買い物を終えて出口にカートを片付けようと自動扉をくぐったところで、
「すみません、これ、そこのカートに置いてあったんです」
とおばさんが寄ってきて小さなポーチを私に見せた。
「はあ。忘れものじゃないですか。お店に届けられたらどうですか」
と、わたしは「はあぁ?」な気持ちを隠しつつ穏やかに言った。
「でも私は急いでいるので届けられないんです」
じゃあ拾うな。そこに置いとけよ。
「はぁ・・・」と困惑する私におばさんはぐいぐい慣れ慣れと寄ってきて言う。
「大事なものかもしれないし、無くなるといけないから」
ナニこの展開とひるんだ私に
「お願いします。」
おばさんはポーチを連れのキャサリンに押し付けてエスカレーターを降りて行ってしまった。
キャサリンと私はサービスカウンターまでの遠い道のり(イオン、マジでかいし!)を
さんざんおばはん(もう、おばはんでいいよ)を罵り、
「探しに来るかもしれないし、そこに置いとけばいーじゃん!」となぜ言えなかったと
自分たちをも罵り、不満たらたらと歩いた。
「でもね、この前カートに日傘ひっかけたまま返しちゃったとき、
サービスカウンターに誰か届けてくれてて助かったもん」
(そーだったな。私が貸したローラアシュレイの粋な日傘な!)
「でもあれ、カート整理のおじさんが届けてくれたんじゃない?」
うーん。ところでこのポーチは何だと思う?
・・・・ふかふかしてるしこれは
・・・・あれか。
・・・たぶんな。
チョコっとファスナーを開けてみた。
予測にたがわず、折り畳み式の買い物袋だった。
しかも、こんなの誰も盗まんよ。捨てられることはあっても・・・
ってくらい薄汚れている。
「このポーチもカートに置いとけばよかったなー」
「もう2度と拾い物はしないよ!」
サービスカウンターに行き、
「駅に出るエスカレーターの前で、カート置き場で拾ったという人から、
届けに行ってくれと押し付けられたんです」
と、ムカつく経緯とポーチを引き渡すと、
(え、こんなのをわざわざ?)とビミョーな笑顔が返って来た。ケッ。
結局この往復に10分近くを費やし、くたくたに疲れて家に帰ったのでした。


後日私は道を歩いていて気が付いた。
あ。あいつら奈良の住民じゃん!

おしまい。


(フィクションではありません。実は実話。)
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