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ほんとのこととか作り事とかいろいろ書いています。
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町田康の作品を(いつも、作家の名前を呼び捨てしていいものかどうか悩むが、さんをつけるとなんだか慣れなれしくて申し訳ないので、ごく客観的に敬称抜きで書くことにします)読んだことがなかった。
ミュージシャンでしょ?って思っていたら、芥川賞とかいろいろ受賞し、選考委員までなさっている・・・。
嫌いとかなんとかでなく、彼の写真が表紙になっている本を手に取り、照れて開くに至らなかったり、なんとなくご縁がなかったのです。
いまさらながら、そしてなぜか沢山の作品の中からあえて10年前の作品『パンク侍、斬られて候』を読んでみた。

これはおもしろい。

なんと言ったらいいのかなー、
大衆娯楽読み物の横綱って感じなんだけど、その内容と表現に反して芯が砕けておらず、やたら読みにくいがそんなことはぜんぜん気にしないで突っ走ってしまえる面白さは、ちょっと他にない感覚。
どーいったらいいかなー?
うーん、京極夏彦がパンクしている感じ???
いや、京極夏彦がパンクしたらどうなるか実際は知らないけど、題材とか奇譚さとか血なまぐささとか、そういうのが京極夏彦に共通するような気がするんだけど、文章がパンクしちゃってて楽しすぎる。この作品なんか時代物なのに、時代考証とか無視した会話や独白の連続で、ニヤニヤしてしまう。しかしそれは、「変なのw」っていうニヤニヤでなく、「そーだよね、こういうやついるよね」という、現代社会の風刺がピリピリ利いていることの爽快感によるものである。


このひとは、パンクロックを文章化してしまった。

て、そんな印象かなー。
でもほんとにすごい。村上春樹に感じる「文章のうつくしさ」なんて、まったくない。技巧もへったくれもなく、このひとは1回原稿用紙に書くと(もしくはPCに入力?)二度と推敲とかしてないんじゃないかという思いっきりのよさを感じる。そしてそれが、血みどろで狂気に満ちた出来事をクールダウンする効果を持っているのか、疲れずに読み進められる効果を持っている気がする。シャウトとバラードが交互に聞こえてきながらどんどん盛り上がっていくライブみたいな感覚がたまんない。面白い。
なるほど、次々と受賞したのも納得がいく。「コレなら書けるわ」なんて舐めたことをだれにも言わせないくらいの堂々とした作風である。
ロックも小説も、ハートなんだな。ってうんうん頷いてしまった。
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『純と愛』の総集編を放送してますね。
このドラマ、毎日人の争いが絶えないので嫌いっていう人が多かったし、愛が脳腫瘍の手術から目覚めないまま終わったわけで、どのくらいの人がこの総集編を観てるかなあ・・・。私としてはこれ、ぜひ観て欲しいんだけど!嫌いだとか気分悪くなるとか言ってた人たちには特に!
毎日の細かいやり取りを省略した総集編で観ると、これはもう、今までの朝ドラにはなかったハードなラブストーリーだということがわかると思う。これだけお互いを必要とし、いたわりあったカップルは今までの朝ドラには無かったんじゃないのかなー?
女性の成長や成功を題材にしてきた朝ドラなのに、このヒロインもその夫もぜんぜんかっこよくない。あこがれられる人間像でない。親との関係にも家族それぞれにも問題がある。(だけど現実社会の中の85%くらいの人間って、そんなもんじゃないんですか?)夢が無いんですよね・・・。
でも、欠点ばかりのこのカップルが転びながらも悩みを共有し助け合う姿は、他のドラマに比べて壮絶な(派手なシーンがあるわけでなく、精神的な面で)ものであり、そしてドラマの最後には、愛が死なず眠ったままであることにより、「希望」が残った。希望は夢よりもより現実的であり、切実なものだとおもう。いい話だと私は思うんですよね。
愛が目覚めるという続編があるのかないのかは知らないけれど、ベースにあるのが『眠り姫』だから、いつか純のそばで目覚める。私はそう信じているのです。
発売後2日目に購入して読んでしまった『多崎~』は、会社の人に請われて貸すこともなく、家族からも「へー買ったんだ」といわれただけで開かれることもなく、電話の横に積み上げられている本のてっぺんに存在する。
S:『多崎つくるの・・・?』
私:『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
S:『色彩を持たない多崎の・・・』
私:ちゃう。色彩を・・・・。これはね、内容読んだら一発で覚えられるんよ。
 多崎つくるの友人の名前が云々で、色彩をもたない多崎で、巡礼の年はリストのピアノの曲で云々・・
S:ああ~。なるほど。
S:『色彩を持たない多崎つくると、彼のジョンレノンの年』

・・・。
『PSYCHO -PASS』 を視ててふと思った。

伊藤計劃の『ハーモニー』とよく似た構想?

テロの手段や社会のシステムに違いはあれ、根本的な設定と展開がよく似てるなあと。

*近未来、政府によって国民は精神を健全に保つようコントロールされ、平和に暮らしている。
*あるときテロが起り、そのシステムを逆手にとって、国民同士が殺し合うよう仕向けられる。
*造られた健全や平和を、まちがったものとして捉える目線。
*主人公は政府に雇われた警察官もしくは軍人のようなもの。

『ハーモニー』では、主人公はテロの首謀者の考えに共感し、システムを破壊するが、
テロの首謀者に同調するわけではなく、その犯罪を裁くべくしてテロリストも抹殺。
『PSYCHO -PASS』の最終回はまだ視てない。
テロリストに銃を向け、殺された友人を回想するも、手錠に持ち替え生きたまま逮捕。
この先どんな決着が待ってるのか、気になる。


円城塔にイカれちゃったことは先日ここに書いたけど、そのつながりで今日は伊藤 計劃を読みたくなってジュンク堂へ。
ほんとうは、円城塔(と伊藤 計劃)の最新刊の『屍者の帝国』を買おうと思ってたんだけど、いつもの癖でまっすぐその本にてをのばせなかった。
ハヤカワ文庫の棚に行き、五十音順を目で追う。あった。円城のすぐそばに。
『The Indefference engine』と『ハーモニー』のどちらを選ぶか5分間悩んだ末、後者に決定。
仕事帰りの電車で読み始めたのだが、これはすごい。
おもしろい。円城塔よりもクールで、そして、なんて悲しい。
早く亡くなった伊藤氏が、その短い執筆の期間にどれだけ濃縮された世界を吐き出したのか、考えるとめまいがしそうなくらい。そしてこのひとの新しい作品をもう読めないんだと思うと、涙があふれてきてしまう。
今日会ったばかりなのに。

人の本音が見えてしまう青年・愛と、本音むき出して生きてきたヒロイン・純が主人公の朝ドラ。
シリーズ開始直後は、自分の正論を押し付けてくる純に気持ち良さもちょっぴりはあったが、同時にその何倍もの不快を感じてしまい、「朝からこんなの見るのは嫌だ」とさえ思っていた。朝日新聞のドラマ評でも同じように、不快だとか、視る人がいなくなりますよみたいなきつい言葉を並べられていて、「やっぱりねー」とそのときは思った。
だが、このドラマ評、ちょっと早かったと思う。その後もドラマを見続けていると、その最初の数々のエピソードが、いつもの朝ドラにある「こんなこともあったべな」ではなく、これから始まる物語の前置きであることがわかってきた。つまり、今回の朝ドラは、単純にヒロインの人生を物語るいままでの朝ドラとはちょっと違う、人間関係というものについて考えさせられるドラマなのだ。
純はまっすぐに夢を追い、間違っているものには間違っているとはっきりと言い、困っている人を見過ごすことができない。そのために周囲と摩擦を起こしたり、自分を窮地に追い込んでしまったりしている。そして愛は、人の本音が見えてしまうせいで、街を歩くときも人の顔が見られずいつもうつむいている。この2人を「迷惑な人とかわいそうな人」と単純に見てしまったら、先のテレビ評のように不快でつまらないドラマになってしまう。いまこのドラマをつまらなく視ている人、または視るのをすでにやめちゃった人は、この2人についてきちんと考えてみると良いと思う。まっすぐに他人と取っ組み合う純も、他人との接触が困難な愛も、違うタイプでありながらも同じように人間関係について深く悩んでいるのだ。そしてこのドラマはこの2人を通して、人と関わる事について深く考えさせられるドラマである。
今日の放送では、今迄他人の本音を目にして悲しみ、怒り、諦めてきた愛が、他人を罵り傷つける、今まで表に出さなかった反面を見せた。他人の裏の顔の醜さを嘆いてきた愛にも、裏の顔があったのである。ここで私は、今迄愛が目をそらそうとして、苦しみ逃げ回っていたものは、他人の裏の顔ではなく、自分自身が内面に持っている自分の醜さなのだと思った。内面の醜さは、彼だけが持っているものではない。彼が純以外の人間に必ず見てしまう裏の顔は、ドラマを見ている私にも、誰にでもあるわけで、これはもう他人事ではないのである。
気がついてしまったこれから先、私は彼らと一緒に迷いながら笑顔を探す旅に出ることになる。他人と真摯に向き合い、そして互いが満足できる関係を作るにはどうすればいいのか。それは途方もなく大きなテーマで、それを彼らはどのようにして解決してくれるのか、私はとても楽しみである。純と愛の2人共が納得して笑える結末を迎えることができたら、そのとき私は心から脚本家に喝采を送りたいと思う。
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■モノカキ志望だけどハジカキの方が多そうなこの人生の「言い訳」や「いいわけ?」。

■隠し事下さい。ちゃう。書く仕事下さい。

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